PCパーツレポート - MSI K7N2 Delta2-LSR
長らく使ってきた746F Ultraだったが、安定性は抜群だったものの、遊べるマザーだとは言えなかった。2年弱の間このマザーを使ってきたが、ついに自作熱が爆発し、PC環境を新しいものにすることに。VIA、SiSと渡り歩いてきたので、nVidiaのnForce2チップセットが載ったマザーで組むことにした。
Athlon64に進むか、AthlonXPを延命させるか、かなり迷ったが、Athlon64はもう少し値段がこなれてきてから、ということで、AthlonXPを延命させることに。SocketAのマザーボードから選んでいると、ワンズがK7N2 Delta2-LSRを特価販売していたので、迷わずこれをチョイス。同時に購入したメモリには、CFD販売でHynixチップを搭載したPC3200 CL3のメモリをチョイスした。そして、長らく使ってきたPAL6035の冷却能力が足りていないことを昨夏に感じたので、同店で同じく特価販売されていた鎌風Rev.Bを購入した。
746F UltraとK7N2 Delta2の比較。746Fはボードサイズがかなり小さい。廉価版のK7N2には空きパターンが目立つ。
とりあえず組み上げて動作チェック…が、OSが立ち上がらない。別のHDDにOSをインストールしようとしても、メモリエラーを吐いてインストールが強制終了されてしまう。おかしいと思い、Memtest86を実行すると、エラーが続々と…。
ワンズにマザーとメモリを持っていくと、「相性」との返答が。Crucial MicronのPC3200 CL3と差額交換してもらい、もう一度組み立てる。OSのインストールはできたが、それでも動作がおかしい。インターネットに接続しただけでいきなり再起動がかかったりして、とてもじゃないが実用できるとは言い難い状態。Memtest86でも1桁ではあるがエラーがでる。
DDR400状態でのデュアルチャネルがきついのか…?と考え、シングルチャネルの位置にメモリを差し替えて起動させた。すると、何事もなくすんなりと立ち上がった。やっぱり、nForce2のメモリの相性が厳しいのだろう。仕方がないので、メモリはシングルチャネルで使うことにした。
そして、今回のPC環境のもう一つの目玉が鎌風Rev.B。発売以来、PAL8045にあこがれていたが、マザーにPAL穴と呼ばれているPAL8045を取り付けるための穴がないため、当時PALの次に冷えると評判だった鎌風をチョイス。鎌風2の型落ちだが、これでも十分に冷えるだろう。ヒートシンクの固定はバネ式のクリップではなく、ねじでクリップとソケットの突起を締め付けて行う。Draco Thunderbird や Alpha PAL6035、KANIE Hedgehog 238-Mなどのバネ式のものになれていたので、ちょっと勝手が分からず、とまどってしまったが、難なく取り付けることができた。また、冷却ファンが回転数可変なタイプなので、冬場と夏場でファンの回転数を変えられるのも魅力だ。
PAL6035に代わり、AthlonXP2500+を冷却することになった鎌風Rev.B。写真比較ができていないが、ヒートシンクのサイズがPALに比べてかなり(1.2倍くらい)大きい。
そして、今回ちょっと新開発なのが下のUSBスロットである。
これは本来は3.5”ベイに取り付けるUSBハブなのだが、本体全面にUSBスロットをつけるのはあまり好きではないので、このハブにPCIの空きスロットに取り付けるブラケットを強力接着剤で貼り付けて、PCケース背面にUSBスロットを増設するためのブラケットを作った。5つまで使えるはずだったのだが、1番のスロットが少し隠れてしまっていて、実際は2〜4番までしか使うことができないが、まあ満足である。足りなくなったら、また別の手を考えます。
こうしてやっとの思いで組みあがった新しいPCなんですが、CPUはそのまま、AthlonXP2500+です。しかし、今回はマザーボードがFSB400に対応できているので、このCPUをオーバークロック(OC)することにより、3200+相当で駆動させることができてしまうのです! 実際OC状態でかなり安定していて、実用に耐えます。さて、久しぶりにベンチマークを走らせて、前の環境とのパフォーマンスの違いを比べてみましょうか…。
MSI 746F-Ultra SiS 746FX AthlonXP 1833MHz Barton, 166*11 DDR266SDRAM CL=2.5 Single Channel RADEON8500LE 64MB HDD=6Y080L0 | MSI 746F-Ultra SiS 746FX AthlonXP 2145MHz Barton, 195*11 DDR293SDRAM CL=3 Single Channel RADEON8500LE 64MB HDD=6Y080L0 | MSI K7N2Delta2-LSR nVidia nForce2Ultra400 AthlonXP 2200MHz Barton, 200*11 DDR400SDRAM CL=3 Single Channel RADEON8500LE 64MB HDD=6Y080L0 | ||
Superπ | 104万桁 | 1'06 | 0'57 | 0'49 |
HD BENCH | ALL | 35694 | 38200 | 36887 |
CPU | Integer | 81216 | 95083 | 96871 |
Float | 95428 | 111721 | 113822 | |
Memory | MemoryR | 21443 | 25077 | 42380 |
MemoryW | 30912 | 36746 | 59725 | |
MemoryRW | 39703 | 45331 | 77382 | |
Graphics | Rectangle | 53200 | 54800 | 45163 |
Text | 14543 | 16112 | 12124 | |
Ellipse | 12180 | 14820 | 12040 | |
BitBlt | 671 | 672 | 664 | |
DirectDraw(FPS) | 70 | 70 | 18 | |
Disk | Read(KByte) | 38496 | 38496 | 36311 |
Write(KByte) | 49951 | 50195 | 36311 | |
Copy(KByte) | 12261 | 10225 | 3815 | |
FinalFantasyXI | 3770 | 4188 | ||
3DMark 03 | 661 | 484 | ||
3DMark 2001SE | 3D Mark | 3711 | 3796 | 3620 |
Sandora 2003 | CPU Dhrystone ALU | 6889 | 8077 | 8016 |
CPU Whetstone FPU | 2758 | 3232 | 3308 | |
CPU Integer MMX | 9875 | 11562 | 12104 | |
CPU Floating Point SSE/3DNow! | 10819 | 12685 | 12729 | |
MEMORY ALU | 1793 | 2000 | 2794 | |
MEMORY FPU | 1709 | 1913 | 2615 | |
さて、ベンチの結果を見ていると、nForceってAGP周りがSiSよりも弱いんですかね? ビデオ系ベンチの数値が軒並みダウンです。あとはSandraのCPUの演算テスト。純粋な整数演算ではクロックの若干低いSiSの方がいい値を出しています。やっぱりSiSのチップセット、素性はいいんですね。
それでも、πで49秒、HDBENCHやSandraのメモリ系ベンチの結果の通り、メモリ周りだけは驚くほど速くなりました。PhotoshopでのJPEGエンコードや、TMPGEncを使ったWMVのエンコードでも、その速さの違いははっきりと分かります。
nForceチップセットの印象ですが、CPUのクロックが上がっていることもあってすごくパワフルです。しかし、すこしもっさり感があることは否めません。やはりSiSの方が、操作に対するレスポンスは速いようです。まあ、今回の目標は手持ちのCPUをXP3200+相当で動かすことですから、それが達成できているので今回のアップグレードは満足です。
K7N2 Delta2-LSR その後…
その後、いろいろ情報収集をしているうちに、新しいBIOSはメモリを選ぶという情報を得たので、今のBIOS(11.40)から、メモリ周りが安定しているという1つ古いBIOS(11.30)に書き換えてみることに。ダウンデートができないようにプロテクトがかかっていたので、「awfl833d.exe w6570nms.b30 /sn/py/cc/r/ld/F」とオプションをつけて、コマンドラインを入力して実行すると、ふつうにダウンデートができた。A7Vの時も1004d以外のBIOSではクロックアップ耐性がのびなくなるということがあったけど、今でもそういうことがあるんだなぁ、と思っているうちにBIOSのダウンデート完了。
そして、メモリのデュアルチャネル状態でmemtest86を走らせてみる。が、今までと同じようにTest#5でエラー。ここから、メモリの設定を煮詰めてみる。メモリの設定を、By SPDからマニュアル設定に変更して、メモリクロックはFSBと1:1で完全同期、タイミングはHynixで安定するという2.5-3-3-7に設定。これでmemtest86を走らせてみると…Test#5でエラーがでない! そのまま1周をノーエラーでクリア。大丈夫そうだったので、Windowsを起動させた。πも難なく完走し、安定そのもの。思わぬ形でメモリが安定した。…ってことは、CFDのでも何ら問題なかったんじゃない…? 今回は自分の完全な情報収集不足なので、しゃあない、まあいいか。
memtest86がついにノーエラーで1周を完走。Windowsの動作も全く問題なくなった。
MSI K7N2Delta2-LSR BIOS Ver.11.40 nVidia nForce2Ultra400 AthlonXP 2200MHz Barton, 200*11 DDR400SDRAM CL=3 Single Channel RADEON8500LE 64MB HDD=6Y080L0 | MSI K7N2Delta2-LSR BIOS Ver.11.30 nVidia nForce2Ultra400 AthlonXP 2200MHz Barton, 200*11 DDR400SDRAM CL=2.5 Dual Channel RADEON8500LE 64MB HDD=6Y080L0 | |||
Superπ | 104万桁 | 0'49 | 0'47 | |
HD BENCH | ALL | 36887 | 38582 | |
CPU | Integer | 96871 | 96856 | |
Float | 113822 | 113821 | ||
Memory | MemoryR | 42380 | 42431 | |
MemoryW | 59725 | 64690 | ||
MemoryRW | 77382 | 82706 | ||
Graphics | Rectangle | 45163 | 52557 | |
Text | 12124 | 12600 | ||
Ellipse | 12040 | 13440 | ||
BitBlt | 664 | 791 | ||
DirectDraw(FPS) | 18 | 18 | ||
Disk | Read(KByte) | 36311 | 38496 | |
Write(KByte) | 36311 | 38351 | ||
Copy(KByte) | 3815 | 4364 | ||
Drive | Z:\10MB | Z:\10MB | ||
FinalFantasyXI3 | High | 1054 | ||
FinalFantasyXI2 | High | 1469 | 1458 | |
FinalFantasyXI | 4188 | 4192 | ||
3DMark 03 | 484 | 485 | ||
3DMark 2001SE | 3D Mark | 3620 | 3642 | |
Sandora 2003 | CPU Dhrystone ALU | 8016 | 8151 | |
CPU Whetstone FPU | 3308 | 3317 | ||
CPU Integer MMX | 12104 | 12104 | ||
CPU Floating Point SSE/3DNow! | 12729 | 12709 | ||
MEMORY ALU | 2794 | 2824 | ||
MEMORY FPU | 2615 | 2650 | ||
ベンチマークの結果は上の表の通り。CL値も詰まっているのだが、想像していたよりはスコアが伸びなかったので、少々拍子抜け。でもまあ、πで2秒伸びているということは、パフォーマンスアップ幅は小さなものではないので、まあ良しとしよう。IDE周りが伸びているのは、間違いなくBIOS変更の影響でしょう。グラフィック周りのパフォーマンスが伸びているのが謎だ。これもBIOSの影響? FFXI3が通らなかったのも気になる…。謎は残りますが、この巻はこれで終了。